📋 概要
建屋面積設定Tpは、配送センターの建屋形状(縦横比、階数、庇や別棟の有無など)を設定し、物流スペースから建物全体の床面積・投影面積を算出する画面です。
🎯 この画面でできること
- 建屋の縦横比率を設定(例:横3:縦2)
- 母屋階数の指定(1階~5階建て)
- 別棟の有無、庇の仕様を設定
- 建屋40パターンの自動計算と比較
- 建物全体の床面積・投影面積の算出
- Excel出力によるシナリオ比較
🎯 目的と用途
主な目的
🏢 建物形状の最適化
敷地形状や作業動線に合わせて、最適な建屋縦横比率を決定します。横長・縦長・正方形など、複数パターンを比較検討できます。
📐 投影面積の算出
建蔽率規制に対応するため、建物が地面に投影される面積を正確に計算します。庇や別棟も考慮します。
📊 多階建て対応
1階~5階建ての設定が可能で、土地が限られた都市型物流センターにも対応します。
🔄 複数シナリオ比較
建屋40パターン計算機能により、様々な組み合わせを自動計算し、最適解を見つけることができます。
利用シーン
- 新規物流センター計画時 - 敷地条件に合わせた建物形状の決定
- 不動産物件選定時 - 必要投影面積から適切な土地を選定
- 多階建て検討時 - 平屋 vs 多階建てのコスト・効率比較
- 用途地域制限対応 - 建蔽率・容積率規制のクリア確認
- バース配置計画 - 建物周長と必要バース数のバランス調整
🖥️ 画面構成
メインエリア構成
| エリア名 | 機能概要 | 主要コントロール |
|---|---|---|
| 条件設定エリア | 建屋の基本形状を設定 | 縦横比、階数、別棟・庇設定 |
| 建屋計算条件及び説明タブ | 計算ロジックと条件詳細 | 建屋面積・投影面積の表示 |
| 建屋40パターン計算タブ | 複数パターンの一括計算 | パターン一覧表、Excel出力 |
| 建屋レイアウト表示 | 縦横比の視覚化 | 建屋形状イメージ図 |
| 階層別面積表示 | 各階の面積内訳 | TabControl5(詳細表示) |
📝 入力設定項目
1. 建屋縦横比設定
横方向の比率(母屋縦横対比WCb)
選択肢: 1, 2, 3, 4, 5
標準値: 3
建物の横幅の比率を設定します。数値が大きいほど横長の建物になります。
縦方向の比率(母屋縦横対比DCb)
選択肢: 1, 2, 3, 4, 5
標準値: 2
建物の奥行きの比率を設定します。数値が大きいほど縦長の建物になります。
💡 縦横比の考え方
横3:縦2 の場合、建物は横長の形状になります。
例:床面積1,000㎡の場合 → 横幅 約38.7m × 奥行き 約25.8m のイメージ
※実際の寸法は通路面積の考慮により変動します
2. 母屋階数設定
| 設定項目 | 選択肢 | 説明 |
|---|---|---|
| 建屋階数Cb | 1階, 2階, 3階, 4階, 5階 | 建物のメイン部分(母屋)の階数を指定します |
⚠️ 多階建ての制約
- 2階以上の場合、自動倉庫や重量物保管には構造強度の追加検討が必要
- 各階への搬送機(エレベーター・コンベア)スペースが別途必要
- 階高が標準4m以上必要(ラック高さに応じて調整)
3. 別棟設定
✅ 別棟無し(標準)
すべての機能を母屋に集約。一般的な倉庫形態です。
🏢 別棟有り
事務所・休憩室などを母屋と分離。管理エリアを別棟として計算します。
※別棟仮想床面積を手動入力し、投影面積に加算されます
4. 庇(ひさし)の仕様
🌂 庇有り(標準)
バース用の庇を建物外周に設置。投影面積に庇面積が加算されます。
🏗️ バース建屋組込
バース機能を建屋内に収納。投影面積は増えませんが、母屋床面積が増加します。
5. 庇の配置方向
| 設定 | 配置イメージ | 用途 |
|---|---|---|
| 横1面(標準) | 建物の長辺1面に庇を配置 | 一般的なトラックバース配置 |
| 縦横2面 | 建物の長辺と短辺に庇を配置 | 入荷と出荷を分離する場合 |
🔢 計算ロジック
基本計算フロー
集計結果
適用
分割
算出
1. 母屋床面積の計算
物流スペース集計TabPageで算出された総床面積が基準値となります。
2. 仮想正方形面積からの寸法算出
奥行き = 正方形一辺 × √(縦比率 ÷ 横比率)
📐 計算例(横3:縦2、1階建ての場合)
前提条件: 母屋全床面積 = 1,200㎡、階数 = 1階
- 正方形一辺 = √(1,200 ÷ 1) = 34.64m
- 横幅 = 34.64 × √(3 ÷ 2) = 34.64 × 1.225 = 42.43m
- 奥行き = 34.64 × √(2 ÷ 3) = 34.64 × 0.816 = 28.28m
- 検算:42.43 × 28.28 = 1,200㎡ ✅
3. 母屋投影面積の計算
多階建ての場合、各階の床面積合計を階数で割った値が投影面積になります。
例:2階建て2,000㎡の場合 → 投影面積は1,000㎡
4. 庇面積の計算
庇有りの場合
5. 別棟面積の計算
別棟有りの場合
ユーザーが入力した「別棟仮想床面積」をそのまま投影面積に加算します。
6. 最終投影面積の算出
✅ この値が敷地の建蔽率計算に使用されます
必要敷地面積 = 全体投影面積 ÷ 建蔽率
例:投影面積1,500㎡、建蔽率60%の場合 → 必要敷地2,500㎡
🏗️ 建屋40パターン計算機能
建屋面積設定Tpには、「建屋40パターン計算」という強力な機能があり、縦横比・階数・庇仕様などの組み合わせを自動で計算し、最適な建物形状を見つけることができます。
パターン計算の組み合わせ
| 設定項目 | パターン数 | 内容 |
|---|---|---|
| 縦横比 | 複数パターン | 1:1(正方形)、3:2(横長)、2:3(縦長)など |
| 階数 | 1~5階 | 平屋から5階建てまで |
| 庇仕様 | 2パターン | 庇有り / バース建屋組込 |
| 別棟 | 2パターン | 別棟無し / 別棟有り |
パターン計算で確認できる項目
各パターンの横幅・奥行き
敷地に必要な面積
バース配置可能数の参考値
建設費・賃料の目安
Excel出力機能
📄 建屋40パターンExcel出力ボタン
計算結果を一覧表形式でExcelに出力します。並べ替えやグラフ化により、最適パターンを視覚的に比較できます。
- 縦横比ごとの投影面積比較
- 階数別の建設コスト試算
- 庇面積の影響確認
- 複数案の社内共有資料作成
📤 出力結果
主要出力項目
| 出力項目 | 単位 | 説明 |
|---|---|---|
| 母屋全床面積 | ㎡ | 建物の延床面積(全階合計) |
| 母屋投影面積 | ㎡ | 建物が地面に投影される面積(1階部分) |
| 建物横幅 | m | 建物の横方向の長さ |
| 建物奥行き | m | 建物の縦方向の長さ |
| 庇面積 | ㎡ | 屋根が突き出した部分の面積 |
| 別棟投影面積 | ㎡ | 管理棟などの別建物の面積 |
| 全体投影面積 | ㎡ | 母屋+庇+別棟の合計投影面積 |
| 必要敷地面積 | ㎡ | 建蔽率から逆算した必要土地面積 |
計算結果の表示形式
📋 建屋面積及び投影面積 GroupBox
階層別面積表示
🏢 TabControl5 - 階層別詳細
多階建ての場合、各階ごとの面積配分と用途を表示します。
例:2階建ての場合
- 1階: 入荷、保管、出荷エリア(1,000㎡)
- 2階: ピッキング、事務所エリア(350㎡)
🖱️ 操作方法
基本操作フロー
物流スペース集計TabPageで総床面積が計算済みであることを確認します。
「母屋縦横対比WCb」と「母屋縦横対比DCb」で建物の形状比率を選択します。
推奨:敷地が横長なら横比率を大きく、正方形なら同じ比率に設定
「建屋階数Cb」で建物の階数を選択します。
土地が限られている場合は2階以上を検討
管理棟を分離する場合は「別棟有り」を選択し、庇の配置を「横1面」または「縦横2面」から選びます。
をクリックすると、設定条件に基づいて建屋面積が再計算されます。
「建屋面積及び投影面積」GroupBoxに計算結果が表示されます。投影面積が敷地に収まるか確認してください。
「建屋40パターン計算Tp」タブを開き、 ボタンで一括比較を実施します。
よくある調整シーン
⚠️ 投影面積が敷地を超える場合
- 階数を増やして投影面積を削減
- 別棟を廃止して母屋に統合
- バースを建屋組込にして庇を削減
💡 建物周長を増やしたい場合
- 縦横比を正方形に近づける
- L字型配置も検討(別棟活用)
- バース配置を縦横2面に変更
⚠️ 注意事項
設計上の制約
1. 縦横比の実用範囲
極端な縦横比(例:5:1)は、通路効率や作業動線の観点から推奨されません。一般的には 1:1 ~ 3:2 の範囲が実用的です。
2. 多階建ての構造制約
- 床荷重: 保管ラックや自動倉庫は1階に配置推奨(上階は床荷重制限により不向き)
- 搬送設備: エレベーター、垂直コンベアのスペースが別途必要(計算に含まれません)
- 階高: 標準4m以上必要(ラック高さ + 天井クリアランス)
3. 建蔽率・容積率の確認
この画面で算出した投影面積が、用途地域で定められた建蔽率に収まるか確認してください。
また、多階建ての場合は容積率(敷地面積に対する延床面積の比率)の確認も必須です。
計算精度と前提条件
4. 通路面積の考慮
縦横比の計算は、通路や共用スペースを含む全体床面積から算出しています。実際の倉庫内の「有効保管面積」とは異なる点に注意してください。
5. 庇の出幅について
庇の出幅は標準3mで計算されていますが、実際には車種(大型トラック・トレーラー)やバース仕様により調整が必要です。
運用上の注意点
6. 物流スペース集計との連携
この画面の計算は、物流スペース集計TabPageで確定した総床面積が前提です。集計Tab側で面積を変更した場合は、建屋面積設定Tpで必ず を実行してください。
7. 別棟面積の手動入力
別棟を設定する場合、「別棟仮想床面積TB」は手動入力です。管理事務所の規模を事前に計画しておく必要があります。
8. 建屋40パターンの活用タイミング
基本設計段階では、まず1パターンで計算し、投影面積が敷地に収まることを確認してから、40パターン計算で最適化を図るのが効率的です。
コスト試算時の留意点
9. 階数による建設コストの違い
多階建ては投影面積を削減できますが、建設単価(㎡あたり)は平屋より高くなります。
一般的な建設単価の目安:
- 平屋倉庫:15~20万円/㎡
- 2~3階建て:20~30万円/㎡
- 4階以上:30~40万円/㎡
適用限界
10. 特殊形状の扱い
L字型、コの字型など特殊な建物形状は、この計算ツールでは正確に算出できません。そのような場合は、建築設計の専門家と協力して計画を進めてください。
✅ 最適な活用のために
建屋面積設定Tpは、配送センター全体計画の最終段階で使用するツールです。
入荷・出荷・保管の各スペースを確定させた後、建物形状を最適化するために活用してください。